腕を組んでいるからといってブロッキングと名付けることはないんじゃないか

ラジオを聞いていてこんな話を聞きました。

人と話している時に、胸の前で腕を組んでいるのをブロッキングというそうです。
相手と距離を保ちたいと感じている人がすると言っていました。
人にはいろいろ癖があって相手にどんな印象を与えているかわからないから気をつけよう、というような内容でした。

でも、胸の前で腕を組むことをブロッキングという名前を付けられたら、少し窮屈です。
こんな知識が広まって、腕を組んでいるだけでブロックしている、と思われる世の中になったらたまったもんじゃありません。

腕を組むと胸が緩む

腕を組むと、胸が緩むのです。
胸が緩むと、胸が開きます。
心を閉ざしている人は、胸が硬くなっています。
胸が緩んで開いている人は、相手を受け入れる余裕のある人です。

つまり、腕を組んでいる人は、相手を受け入れようという意志があると言えます。

普通にしていたのでは、少し緊張するけど相手ともっと話したい、もっと相手のことを知りたい、と思っているかもしれません。
自分に自信がないけど、勇気を出して胸を開こうとしているのかもしれません。

手を後ろで組んでいる人

では、手を後ろで組んでいる人はどうでしょう。

胸を見せているからと言って、心を開いているかどうか、身体を観る訓練をしていないとなかなかわかりません。
手を後ろで組んでいても、顎が上がっている人は不安な人です。
さらに腰が抜けて落ちている人は相手の話を頭だけで聞いている人です。


斜めになっている人

斜めになって相手の話を聞く人もいます。
斜めになっているからといって、話を聞く気がないとばかりは言えません。

耳を澄まそうと思うと、自然に斜めになります。
それにもともと身体が捻れている人は、斜めになったほうが身体が緩むのです。
斜めになっているのは、身体を緩めて相手を受け入れようとしているのかもしれません。


姿勢には無数の理由がある

ブロッキングという言葉の持つ印象があります。

胸の前で腕を組むことにあまり良くない印象が付いてしまうのは整体師としては問題にしたいところです。
無意識のうちにその姿勢が悪いものだと思い込んでしまうかもしれないからです。

例えば、「足を組むのが歪みを作る」と思い込んでいる人の腰はとても固い傾向にあります。
そういう人に、「別に組んでも構わない。足を組むのは疲れた足を休めたい身体の要求だから気にすることはない」
と言うと途端に腰が柔らかくなります。


身体は機械ではありません。
ある姿勢をしているのには無数の理由があるのです。
それこそ人の数だけ、その人にしか分からない理由があります。
同じ理由でも人によって姿勢に現れる形は、ぜんぜん違うこともあります。

つまり、あまり気にしないほうが良い、ということです。
他人がそういう姿勢をしている時も、決めつけない心の余裕を持っている方が精神衛生的にも良いと思いませんか。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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