頭と目の疲れと睡眠の関係

 寝る直前までパソコンを見ていたり、ふとんの中でスマートフォンをしたまま寝たりすると、朝疲れが取れていなかったり、ぐっすり眠れなかったりします。


 眠りに入るには、神経がリラックスして緊張が緩む必要があります。これから寝ようという直前まで体を緊張させていて、いきなりリラックス状態になるのは難しいものです。眠る1時間前ぐらいから徐々にリラックス状態に持ち込み、かなりリラックスしたところで眠りに入りたいものです。
パソコンやスマートフォンで目や頭だけを疲労させるのは、神経を緊張させることなんですね。理由はいろいろあります。


画面から出る光が脳を疲れさせる

 光は脳に刺激を与えます。画面から出る光は脳にかなり刺激があります。光っている画面と紙の本では、刺激の強さが違います。面白くない本を読むと、眠くなくても眠気が起こることがありますが、インターネットを見ていて紙の本ほどに眠気が起こることはあまりありません。それどころか、面白くもないのに他に面白いことはないかと刺激を求めるようにクリック等してしまいがちです。


 人は太陽の光を感じて目が覚めます。光を見ると目が冴えるのです。光の刺激は脳を活動させます。しかし朝なら問題ありませんが、夜遅くまで脳を活動させていればいずれ疲れるのも道理でしょう。


刹那的な刺激は神経を興奮させる

 インターネットの世界では、じっくりと考えたり深い感動を与えるようなものよりは、瞬間的な刺激を与えるようなものが多いのではないでしょうか。以前はそうではなかったようにも思いますが、そのようなサイトがますます増えているように感じます。


 瞬間的な刺激というのは、脳を興奮させる。脳が興奮すると体も興奮状態になります。体が興奮状態になるというのは、体が戦闘態勢に入っているということです。
呼吸が浅くなり、頭に血が昇り、目に力が入ってくる。首の周辺に力も入るし、肩にも力が入る。別の言い方では、交感神経優位な状態とも言います。いわゆる神経が高ぶっているという状態です。


急にリラックスはできない

 興奮状態からいきなり寝ろ、と言われてもなかなか眠れません。興奮状態の神経を鎮めないと眠れません。
体が眠る体勢に入る必要があります。浅かった呼吸が深い複式呼吸になり、カッカしていた頭がぽかんとし、力の入っていた目が優しい目になる。半眼と言われるような目ですね。首や肩に入っていた力は抜けて、お腹や腰の充実感が出てくる。
この状態を副交感神経優位な状態と言います。


 リラックスと一言で言っても全身が関係してくることなので、興奮状態からリラックス状態になるには少し時間がかかるのです。
神経をリラックスさせて眠るためには、布団に入る1時間前には、パソコンやスマートフォンをやめていたいものです。ですが、神経が極限まで高ぶっていると、それだけではなかなかリラックスもできません。その場合はどうすればいいでしょうか。



首から上に上がった気を降ろす、全身くまなく気をめぐらす

 いきなり気という言葉を使いましたが、なんとなく感覚で「気」という表現が分かる人はそのままなんとなく理解しているのが良いと思います。

 気とは何ぞや、という理屈っぽい人は、気とは意識のことだと考えてください。
人の体は、意識が行かないところは、動きが少なくなり、そのために筋肉の運動量が減り、血行も悪くなります。
じっと画面を見ているときには首から上に意識が集まり、特に腰から下の意識がお留守になりがちです。
意識のバランスが崩れ、筋肉のバランスが崩れ、血行などがわるくなり、肩こりなどになるのです。だから、首から上に凝り固まった意識を分散させれば良い。



目に蒸しタオルを当てる

 疲れている場所に直接刺激を与えることで、そこに集中している意識を分散させてやりましょう。
目を閉じてまぶたに蒸しタオル、ホットタオルを当てると、目の周りの筋肉の血行が良くなり目の疲れが取れます。
目が疲れると首や肩の筋肉が固くなります。肩こりや首こりの人も目に蒸しタオルを当てるといくらか楽になります。

蒸しタオルの詳しいやり方はこちら

全身運動をする

 体全体を動かすことで、全身に気をめぐらせます。
気をめぐらせるといっても特に難しいことを考えずとも、足を動かせば足に意識が行きますし、手を動かせば手に意識がいきます。散歩も良いし、柔軟体操でも良いし、ラジオ体操のような軽い体操もいいでしょう、手足をブラブラと揺するだけでも良いです。慣れてくると、首から上に集まっていた意識が体全体に広がる感覚を実感として感じることもできるようになります。



 その他、お風呂に入ったり、リラックスする音楽を聞く、頭を軽くマッサージする等、一般的な方法でも効果があると思います。なんのためにするかというと、じーっと画面を見ることで、首から上に集中してしまった意識を分散させるのが大事なのです。


 現代人にとって宿命とも言えるパソコン、スマートフォンによる目の疲れを睡眠に持ち込まないようにするのが、現代人にとっての健康の秘訣の一つです。




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